就職ミスマッチ

 前回に続いて私自身の就職の失敗体験をお話しします。大学を出て最初の就職で言わば就職ミスマッチ体験です。

 基本的な問題は、「自分のやりたいことが自分でわからない」点にありました。いろいろ就職活動したが本当にやりたいことはわからない状況でした。当時頭だけで考え、ものつくりは意義がある、メーカーが良いと思うようになりました。自分に合っているとも思えました。美術工芸的な分野が好きなことからガラスメーカーで工芸的な要素のあるガラス食器建材などの中規模ガラスメーカーに就職しました。クリスタルガラスという工芸ガラス分野です。

 最初の配属先は商品開発部商品計画課というところでデザイン課と同じ部屋でもあり、私にとっては大変魅力のある良い先輩もいる職場でした。同期入社に2名のデザイナーもいて職場環境にも恵まれていました。私の仕事は、広告宣伝関係や、商品化計画というデザインおよび技術部門の新製品化に関するアイデアを数字に落として現実性、営業性を検討する資料作成業務などでした。最初は特に商品化計画は経験不足で補助業務と言って良かったでしょう。しかし、1年で営業へ異動になりました。

 営業はガラス建材部門を担当しました。メーカーですから販売代理店への卸営業が中心で、その他直販で建築設計事務所への営業を行いました。メーカーの施工支援業務もあり、一流ホテルや皇居新宮殿のガラスの取手の取り付けなどです。またステンドグラスの施工やガラスのカットなども行いました。これらはもちろん職人ではありませんから本業ではありませんが面白い仕事でした。

 問題なのは代理店営業です。営業目標が苦しく、代理店で実際には売れていなくても、やや押し込みでも、代理店にとにかく買ってもらわなければなりません。そこで接待営業中心になるような現状でした。しかし接待が苦手で、酒もたいして飲めず、ゴルフ、マージャンできずでは不調法では擦れた代理店営業マンからは馬鹿にされていた状況でした。
 課長からは売上を厳しく言われ、営業部の体質にもなじめず、会社も幹部は親会社からの出向者中心で展望が持てませんでした。ものつくりは意義があると思いはしましたが、自分の文系の職種では製造やデザインなどの職種にはつけないのですから、直接ものつくりに関わるよりもやはり物を売るという職種になるのでしょう。
 物を売るという営業現場はやや荒っぽくて、仕事自体の面白さを感ずることはできませんでした。ノルマも苦痛でした。営業部ではやや孤立してしまい、だんだん就職ミスマッチを感じる気持ちが強くなりました。

 私に志望動機がもうちょっと強くあれば頑張る気持ちもあったかもしれませんが、ものを売る営業の苦手意識や不適合の方が増してしまい、退職に気持ちが動いて行きました。
 物を売る仕事とのミスマッチ感は、反面「人に関わる仕事がしたい」、もともと「好きな文化的な業種にこだわってみよう」という考えになってきました。

 後になって知った「仕事の適性の4方向」がこのような仕事特に職種のミスマッチを感ずるときに重要な原点です。(1)データを扱う仕事 (2)アイデアを生む仕事 (3)人と関わる仕事 (4)物と関わる仕事 の4方向です。(1)データを扱う仕事 (2)アイデアを生む仕事は対局でどちらかのタイプに分かれます。私が最初に選んだ製造業はものつくりではありますが、実際の自分の職種は物の販売・営業でした。ものに関わる仕事にも作る仕事、売る仕事、運ぶ仕事などがあり職種による要素が高く、職種は日本では自分では選べないという特性がありますと。いろいろな職種を回るゼネラリスト型キャリアパスの方が多いかもしれません。
  (1)データを扱う仕事 (2)アイデアを生む仕事 (3)人と関わる仕事 (4)物と関わる仕事 それぞれの中間の方向はあります。
 私はどちらかと言えば、(3)人と関わる仕事と(2)アイデアを生む仕事の中間型でしょう。
 皆さんも自分のタイプを考えてみてください。
                                                     
キャリアコンサルタント 上田信一郎

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